公益社団法人 日本口腔インプラント学会
第34回 九州支部学術大会
大会長
伊東 隆利
(医療法人伊東会 伊東歯科口腔病院)
歯科医療が健康寿命に貢献することが、最近の疫学的研究から証明されつつあります。歯科医療の中でもとりわけインプラント治療は従来の義歯、クラウンブリッジでは得られなかった患者満足度が得られ、10年経過、20年経過のいい成績が出されてきています。
これからさらに疫学研究が進んで、インプラント治療が国民の健康寿命に貢献することが証明される日も近いことでしょう。
多くのインプラント術者が公益社団法人日本口腔インプラント学会に所属し、切磋琢磨している姿は学会の学術プログラム、研修制度、専門医制度等の中に見ることができます。学会員14186名の内、九州支部会員は1723名(2015.9.11現在)で、関東、近畿・北部支部に次いで、6支部中3番目に会員が多く、インプラント臨床が盛んな地域であり、一般臨床医と大学研究者のコラボレーションがいいことで有名であります。
熊本県での九州支部学術大会は1990年(第9回)、1997年(第16回)、2007年(第25回、全国学術大会と併催)と開催され、今回で4回目を迎えます。
このように発展・進歩しているインプラント診療ですが、死亡事故に始まり、未熟練術者による危険な手術の横行、倫理性に欠けた行動、適応症外への無防備な挑戦など批判を受けていることも事実であります。
このような時こそ、私達は医療安全・安心を最重要課題としていること、そして健康に貢献できるインプラント治療を国民に提示することが必要であります。
今回の九州支部学術大会はこのような学会の基本方針を遵守しながら、ここまで進歩してきたインプラント医学・医療が国民の健康寿命の延伸にどのように貢献しているかをメインテーマに特別講演、教育講演、一般口演発表、ポスター発表、ランチョンセミナー、市民公開講座、企業展示を企画しています。
医学・医療の進歩はより高度な、より専門的な発展が必要ですが、一方その成果が横へ、国民へ向かって拡がることも必要であります。
拡がってこそ、国民の健康寿命に貢献できる医療として認識を得ることができるでしょう。
この九州支部学術大会が参加者にとって臨床に役立つものであるよう、また市民の方々にはインプラント治療への正しい知識と適切な受診行動ができるよう願っています。
第34回九州支部学術大会の実施については我々会員のみならず、行政、市民、関連企業等の協力がなければ成しえません。
皆様のご協力をお願い申しあげます。
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